図解民事紛争と当事者目線

 

平成7年度旧司法試験を参考に、法的紛争が起こって、どのように解決されていくか、民事事件の流れを図解してみました。

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本件は偏屈な隣人とのトラブルですね。多くの事案で、当事者間の話し合いがなされます。しかし、本件はそれでは解決しそうにありません。

 

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というわけで、X山さんは弁護士の「あなた」に相談にきました。「なんとか」してあげたいですね。ちなみに隣人トラブルは、弁護士として介入するのが難しい案件が多い印象です。今後のことを考えると弁護士を入れない方がいいと判断せざるを得ない案件や法的にはそもそも問題にならないような案件ありますから、ある意味やったもん勝ちがまかり通ってしまいます。

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さてさて、本題に戻りましょう。X山さんは、何を「ひどい」と感じ「なんとか」して欲しいと思っているのか、当事者の要望には様々なニュアンスがあります。その中から、法的に意味のあるものを取捨選択し、必要な要素を汲み取って、当事者の要望を法律的な主張に加工してあげる必要があります。これが法律家の基本的な思考の枠組みです。

 

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先ほどの検討の結果、法律的な請求が成り立ちそうです。そこで、代理人として改めて任意の撤去を求めます。が、しかし、「なん・・・・だと・・・・。」

 

 

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 X山さんは、甲野さんがいうことを聞いてくれないようなので、仕方なく、裁判を通じて権利実現を目指しことを選択しました。普通は費用だおれになってしまうので、それ以外の手段を考えるのが実際だとは思いますが、これはあくまで教室事例ですから、そういうものなのだと割り切ってください。

 

本訴訟を通じて、対立し合う当事者が、交互に主張立証を行い、X山さんが甲野さんに対して、冷蔵庫をどけろと言う事のできる請求権(「訴訟物」と言います。)があるかを裁判所に判断してもらいます。

 

さて、どうやら勝訴判決が得られたようです。とはいえ、今回得た判決は「訴訟物(先ほど出てきた、X山の甲野に対する請求権)がある」ということしか意味しません。

判決が出たことで甲野さんがいうことを聞いてくれればいいのですが、判決文それ自体はただの紙切れです。今後は、民事執行という手続きを使わなければなりません。

 とりあえずここまで!

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